こんにちは、コスパ侍です。
現在ゲーム業界でそこそこ納得しながら働いている私が、クソニート時代から現在に至るまでの回顧録をリアルに無計画に時には物語風に綴っていきます。
◇前回までのあらすじ
大学留年からのニート生活。
絶望的で自堕落な日々を送るなかで人生の転機が訪れる。
『彼女ができました』
働かざるを得ない状況に追い込まれた侍は社会人生活の一歩として、
ゲームのデバッグ会社の門を叩くこととなった。
◇目次
■ゲーム業界第一歩、デバッグ会社の門
クソみたいな経歴しかない履歴書を片手に都内某所のゲームデバッグ会社へ面談のために紹介者の友人とともに足を運ぶことになった。
~約数日後、そこは地獄の門であったと気が付くことにとなる……
面談に関しては持ち前の社会不安障害により、過剰緊張しガクガクしながらもなんとかやりすごした。その時の記憶は今ではほぼ忘れてしまっているが簡単な志望動機と当時やりこんでいたゲーム、いつから業務開始できるかなどを聞かれる程度で終わったと思う。
その際に給与振り込み先の手続きや契約に際してのお話もあったわけですが。
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人事:「ウチで働いて頂くに際しては”登録制”の”個人事業主扱い”になるけど問題ない?」
若かりし侍:「はい、問題ございません!(ゲームの仕事ができるならなんでも!)」
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TIPS.
登録制
→登録人員の中からPJに適した人材を「不定期」呼び出しするシステム。
※下手すれば一生干される可能性あり
個人事業主扱い
→従業員扱いではないため、労働基準法適用外。福利厚生なし。税金は自分で確定申告
※残業時間∞可能
……冷静に考えれば入口の時点で既にブラック確定していたわけです。
注)全ての会社がそうであるということではございません
■鳴らない、電話 ~ 初勤務
一向に呼び出しの電話は鳴らず不安が募る。
勤務が決まった約一か月ようやく初めての仕事が決まる。
この業界は特に守秘義務という点に厳しいため詳細は書けないが、とある人気漫画を題材にしたゲームのデバッグ業務だった。
侍が合流したタイミングはリリース寸前で販売元が追加料金を払ってでも人手を増やしたいという時期。呼び出されるのも納得のタイミング。
侍:「勤務時間はいか程でしょうか?」
社員:「いきなりですみませんがAM10:00~PM:10:00が基本ですよ」
基本12時間労働。ampmであった。
バイトということもあり業務自体は簡単なもので、社員から指示されたおおまかな方針を受けて只管その箇所でバグが出ないかを実際にゲームをプレイしてテストする。
例えば「ステージ1で壁抜けのバグがないかチェックして」と言われれば一日中何万回でもステージ中の壁にあらゆる方法でぶつかってみてステージ外へ突き抜けてしまわないかといった具合の何かの拷問的な作業である。
そして、極めつけはバグを発見して報告書を作る際は「手書き」。
もちろんパソコンもない時代というわけではなく、社員のみパソコンを支給されておりバイトなど手書きで十分(そこに割く予算はない)ということだろう。
字もさほど上手くはなく、漢字も得意ではない人間としてはかなり苦痛かつ無駄な作業に感じたのを覚えている。
■社内イジメ?
忘れかけているかもしれないが、その頃の侍には彼女がいた。
社会不安障害かつ脱ニート直後かつampm労働の侍にだ。
連載第1回で触れたが、彼女は学生時代の同級生であり実家と職場が非常に近く、昼休みの短い時間に待ち合わせをして話したり、時に定時の18:00に仕事が終わる珍しい日には仕事帰りに夕食を取って帰るなりしていた。
正直そういったものを職場のたいして仲も良くもない同僚に見られるのは避けたかったが如何せん職場の近くで会うということは、どうしても目撃されてしまうことになる。
当時はそのことで隠すことを理解できない彼女と喧嘩にもなったりしていたことを覚えている。
「そんなこと気にしなければいい」
アグレッシブな性格である彼女の主張はこうであった。健常である。
しかし、これが当時の自分には不甲斐ないことに出来ず、状況の悪化を招いていくことになる。
ゲームのデバッグ会社で働いている種の人間はモテない(偏見70%ぐらい)
恐らく異質な存在に対する警戒と妬みなどが生じたのであろう。仕事中には同じプロジェクトの同僚間で、私に聞こえるか聞こえないかぐらいの声でこんなコソコソ話も聞こえて来た。
「〇〇さんって二重人格なんですかね」
→職場では黙々と静かに働いている癖にやっていることはチャラいという意味だろう
「〇〇さん昨日と同じ服ですよ、昨晩何してたんですかね」
→正解。お泊りして出社したことがありました。
「〇〇さん作り笑いやめたらいいのに」
→実際当時はこのとおり職場になじめず孤立しており本物の笑顔などひとつもなかった
面と向かっては言わず、絶妙にコソコソされているため
”これはもしかして自分の被害妄想なのか?”
”幻聴か?”
”いや、確かにまた聞こえた”
長時間労働かつ職場内では孤立した中、毎日この疑心暗鬼の繰り返しで精神的にも滅入っていったのである。
私はこの地獄のような環境で働いて行けるのだろうか。
つづく
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